2004/5年度セミナー

2004年度夏学期
  • 4月13日
    講師: 加藤 周氏(東大数理)
    表題: Harish-Chandra加群のモノドロミーを用いた分解について  
    Gを半単純実代数群、Kをその極大コンパクト部分群、GCとKC をGとKの複素化、BをGCのBorel部分群とする。
    無限小指標0のHarish-Chandra加群の圏はBeilinson-Bernstein対応と Riemann-Hilbert対応によって旗多様体上のKC-同変偏屈層の圏と 圏同値である。 このことからさらに GC/KC 上のB-同変偏屈層の圏とも圏同値な事が従う。
    この状況の下で GC/N(KC) のDe Concini-Procesiコンパクト化を用いてB-同変単純 偏屈層にあるデータ(仮にモノドロミー類と呼ぶ)を付随させる事ができ、モノドロ ミー類が異なる単純偏屈層同士の間には射も拡大もないという事を解説する。
    このことより元の問題に立ち返ってHarish-Chandra加群の圏のブロック分解が得られ る。
    さらにこの分解とVoganによるHarish-Chandra加群の圏のブロック分解の比較も議論 する。  
  • 4月20日
    講師: 池田 薫氏(慶應義塾大学経済学部)
    表題: 量子化戸田格子の可積分性とラグランジュファイバー上へのラドン変換について  
    R2n を戸田格子が記述される 2n次元の相空間としよう。 L(P) を古典的戸田格子のラックス行列とする。 P は相空間の点をあらわす。 このラックス行列の特性多項式の係数は P の関数で相空間上の自然なポアッソン括弧で互いに可換となり古典的戸田格子の可積分性を保障する。 ここで L(P) の正準量子化 L を考えその特性多項式を考えよう。 このときその係数は n変数の偏微分作用素となる。 この偏微分作用素たちが戸田格子の第1積分の量子化と考えられる。 その可換性を証明したい。
    量子化戸田格子の可積分性自体は表現論の観点から Kostant, 大島−落合−関口 らにより証明が得られているが、量子化戸田格子の可積分性を解析の問題、すなわち指数関数係数の偏微分作用素のある有限個の族の可換性として捉えることによってより初等的な証明を行うことが今回の目的である。
    そのために相空間全体でのフーリエ積分を考える。 通常フーリエ積分は偏微分作用素を多様体上の余接束上の関数に変換する。今回は偏微分作用素を相空間上の関数に変換するようなフーリエ積分を考える。 R2n は古典戸田格子の等位集合によるラグランジアン葉層構造を持ち R2n 上のフーリエ積分はモジュライ方向とそのファイバー方向に分解できる。 表題のラドン変換とは(超平面ではないが)このファイバー方向の積分のことである。 アーノルド・リーヴィルの定理よりファイバーをコンパクト化すると n-1 次元トーラスが現れる。この事実を使い可積分性を証明する。
  • 4月27日
    講師: 吉野 太郎氏(東京大学大学院数理科学研究科)
    表題: 4次元のLipsman予想の解決  
    巾ゼロリー群がアファイン変換として Rn に作用するとき、 その作用が固有である事と作用が(CI)条件を満たすことが同値であるとLipsmanは予想しました。
    この予想に関する背景に触れながら n=4の時の証明を与えます。
  • 5月11日
    講師: 竹村 剛一氏(横浜市立大学大学院総合理学研究科)
    表題: Lame作用素の固有値  
    Lame作用素とは、二重周期関数を含んだある二階の微分作用素であり、リーマン球面 上に4点確定特異点をもつ微分方程式と関係するものである。Lame作用素において、 一つの周期について周期関数となる固有関数(固有ベクトル)をもつような固有値に ついての結果を紹介する。とくに、固有値を楕円関数の周期の比を変数にもつ関数と みなしたときの解析接続のようすについて述べる予定である。
  • 5月18日
    講師: 織田 孝幸氏(東京大学大学院数理科学研究科)
    表題: Real Harmonic Analysis for Geometric Automorphic Forms
  • 50年代末に得られた、半単純Lie群 G のcocompact不連続部分群に 関する松島同型定理は、SL(2,R) に対するEichler同型の 一般化であるので、多変数保型形式論にとっては極めて基本的である。 この同型に「登場」する G のユニタリ表現は普通 cohomological representations と呼ばれていて、離散系列表現を (大きな)一部として含む。Highest weight modules でない離散系列 表現に属する保型形式を調べるのは重要な問題と思われるが、 そのような保型形式に関しては、そのFourier 展開の形でさえ、 一般には納得のいく形では分かっていない。 群 G = Sp(2,R) を例にとり、この辺のことの現状を話す。
  • 5月24-28日
    松木敏彦氏
    集中講義:旗多様体上の軌道分解と軌道対応
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