2002年度セミナー

  • 4月23日
    講師: 森田 英章氏(東海大学理学部情報数理学科)
    表題: 対称群の余不変式環とある誘導表現について

    対称群の余不変式環は, 多項式環を基本対称式で 生成されるイデアルで割って得られる次数付代数で, それは対称群の左正則表現を 与えることが知られている. Kraskiewicz と Weymann は, 対称群の次数が n の とき, n を法として合同な次数を持つ余不変式環の斉次空間の直和が, ある良い構造を持つことを示した. この講演では, 法をとる数を一般に 1 から n の自然数としたときにも, 同様な良い構造が存在することを紹介する. また, 同じ現象が de Contini - Procesi 代数とよばれる対称群の次数付表現や, あるいは B 型 Weyl 群の余不変式環に対しても確認されている. 時間があれば, それらに関する予想や計算結果も紹介したい. なお, 本講演は中島達洋氏(明海大学)との共同研究に基づくものである.

  • 4月30日
    講師: 加藤 周氏(東大数理)
    表題: 半単純群の同変コンパクト化上の同変ベクトル束について

    adjoint semisimple代数群$G$に対して境界が正規交差になる代数多様体 としてのコンパクト化$X$が(一般には無限に)存在する。この時$X$上の 両側$G _{sc}$同変なベクトル束の成す圏と表現と適当な条件を満たす そのフィルターの族の組の成す圏との圏同値が証明できたので報告する。 このような結果は$G$がトーラスの場合のKlyachkoの定理の類似であるが、 群が非可換で左右の作用が同一視出来ないために新しい拘束条件が生じる。 定理の応用として$X$がwonderfulと呼ばれているときにはランクの低い 同変バンドルは直線束の直和になっていること等が従う。 また、上の命題は「対称空間上のベクトル束を与えたとき、その対称空間の コンパクト化上への拡張を記述せよ」というKostantの問題の特別な場合 の解決になっている。

  • 5月7日
    講師: 宇澤 達氏(名大多元数理)
    表題: 標数2の体上の対称空間

    位数2の自己同形は、標数が2ではない体上では半単純であるが、 標数2の体上では冪単となる。この講演では、標数2の場合にも 制限ルート系などが定義されることの解説をする。


  • 5月14日
    講師: 有木 進氏(京大数理研)
    表題: A tame/wild problem for the Hecke algebra of type B

    Recently we have determined when a Hecke algebra of classical type is representation finite. As a natural next step, we consider the problem when they have tame representation type. Blockwise consideration remains still open, but we can say the result for the Hecke algebra of type B.


  • 5月28日
    講師: 松本 久義氏(東大数理)
    表題: 退化系列表現へのDerived functor modules の埋め込みについて

    G を半単純Lie群 P をその放物型部分群とする。G/P の複素化であるような 一般化された旗多様体の open G-orbit の正則line bundle には、cohomology を考えることにより (g,K)-cohomology が消えないunitary 表現である derived functor module が対応する。一方 open G-orbit の境界には閉軌道である G/P が出て来るので、derived functor module の退化系列表現への埋め込みがあると 期待される。ここでは話がうまく運ぶいくつかのケース(複素群、U(p,q),その他) について述べる。

  • 6月4日
    講師: 大島 利雄氏(東大数理)
    表題: 確定特異点型の可換微分作用素系と完全積分可能量子系
    C上の対称空間や、ユークリッド空間のルート束での商空間の複素化、など をコンパクト化した空間のある無限遠点で定義された可換微分作用素系を考察する。 その点で確定特異点型の場合は、ベクトル型の場合も含め、シュレディンガー 作用素のポテンシャルから系が一意に定まることが分かる。 そのような系の決定問題をいくつかの例で示したい。表現論で現れる球関数(Eisenstein積分)や Whittaker関数の満たす微分方程式系が代表的な例である。
  • 6月11日
    講師:落合 啓之氏(東工大 理)
    表題:Painleve II に付随した特殊多項式の係数の性質
    金子昌信(九大数理)氏との共同研究。 math.QA/0205178.
    Painleve 方程式は(アフィンワイル群の作用に関して) パラメータが特殊な点にあるときに多項式を用いて表される解を持つ。 Painleve II に対しては Yablonskii-Vorob'ev 多項式と呼ばれる。 この多項式の係数の性質(最低次の表示、他の次数の性質、 mod p)を論じる。証明ではSchur函数の性質を用いる。
  • 6月25日
    講師: 織田 寛氏(拓殖大工学部)
    表題:Harish-Chandra同型の一般化
    g を複素半単純Lie環,h をそのCartan subalgebra, W をWeyl群とすると,古典的なHarish-Chandra同型は U(g) の g-単位表現成分と S(h) のW-単位表現成分との一対一対応である. この同型が,退化Hecke環の S(h) への自然な作用を通じて, 単位表現以外のいくつかの g の有限次元表現の場合に自然に拡張される. generalized Verma moduleのannihilator, 退化Hecke環の主系列表現の構造に関する応用も論じる.
  • 7月16日
    講師: 関川 浩氏(NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
    表題:近似計算を用いた代数的数のゼロ判定法と数式処理アルゴリズムへの応用
    数式処理のアルゴリズムにおいては,入力を近似したり,途中の計算を 近似計算に置き換えたりすると,得られた出力が正確な答の近似 になっている保証がなくなる.この原因は,多くの場合,アルゴリズム中で 係数の等号判定が正確に行えなくなるからである.等号判定は,移項すれば ゼロ判定になる.本講演では,係数を代数的数に限れば,近似計算によっても ゼロ判定を正確に行うことが可能なことを示し,実際のアルゴリズム中で, 近似計算によるゼロ判定を組織的に適用する方法についても説明する.
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